NT倍率とは?日経平均株価とTOPIXの関係を初心者向けに解説

NT倍率

株式投資をしていくなかで「日経平均株価」、「東証株価指数(TOPIX)」といった株価指数をチェックするという方は非常に多いと思います。

では、これら2つの株価指数を基にした「NT倍率」をご存知でしょうか?

あまりメジャーではないので知らない方もいらっしゃるかもしれませんが、2019年10月に27年半ぶりの高水準を記録したと話題にもなりました。

この事実はかなり異例だともいわれています。

そこで、今後注目すべきNT倍率について本記事でわかりやすく解説していきたいと思います。

この記事でわかること

  • NT倍率の意味
  • NT倍率の変動要因
  • NT倍率を投資に生かす方法

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目次

NT倍率って何?

まずは「NT倍率」が何なのかについて、ご説明していきます。

NT倍率とは、日経平均株価を東証株価指数(以下:TOPIX)で割った数値のことです。例えば、2019年12月28日時点では、数値は13.75でした。

ここで「日経平均株価とTOPIXって何だっけ?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんので、簡単におさらいしておきましょう。

  • 日経平均株価…東京証券取引所の東証一部に上場している銘柄のなかから日本経済新聞社によって選出された、“日本を代表する225銘柄”の平均株価
  • TOPIX…東京証券取引所の東証一部に上場しているすべての銘柄の時価総額の加重平均

上記が、日経平均株価とTOPIXの基本事項です。日経平均株価をTOPIXで割っていることから、2つの指数の間の相対的な強さを示しています。

また、TOPIXは日本国内の産業全体を象徴しているといえるので、機関投資家がベンチマークとして設定していることが多いです。

また日経平均株価の“N”、TOPIXの“T”と、2つの指数の頭文字をとってNT倍率と呼ばれています。

非常に直感的で分かりやすいですよね。

もし「どっちをどっちで割るのだっけ?」と思ったら分数の形を思い出し、上から読んでもN(分子)→T(分母)と覚えると分かりやすいでしょう。

またNT倍率の標準は10前後とされているので、この標準値よりも上昇しているのか、減少しているのかが一つの目安となるようです。

日経平均株価はTOPIXよりも常に数値が大きいのでNT倍率は2000年以降の過去最低で9.37ですが、近年NT倍率が14倍近くまで上昇しており話題となっています。

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NT倍率はどのようなときに変動する?

では、NT倍率はどのような影響があると変動するのでしょうか?

それがわかると、うまく株式投資に生かすことができそうですよね。

NT倍率の変動について理解するためには、日経平均株価とTOPIXのそれぞれが主にどのような銘柄で構成されていて、影響を受ける要因が何なのかについて知る必要があります。

まず日経平均株価は、上記でも触れましたが“日本を代表する225銘柄”で構成されているため、必然的に株価が高い銘柄が多い傾向にあります。

そのため株価が高い銘柄の影響を受けやすい形になります。また、電気機器・情報通信などの輸出関連株の影響も大きいです。

ちなみに2020年4月現在では、ファーストリテイリング・東京エレクトロン・任天堂・キーエンスなどが日経平均株価構成銘柄のなかで株価が高水準となっているので、ぜひ参考にしてみてください。

一方でTOPIXは“時価総額の加重平均”なので、日経平均株価のように株価が高い銘柄の影響力が大きくなることを防いでいるものの、時価総額が大きい銘柄(内需株など)の影響を受けやすいです。

内需株というのは非常に幅広く、銀行・電力・不動産・外食・建設・倉庫・小売などさまざまな業種があります。

こちらも2020年4月現在では、トヨタ自動車・日本電信電話・NTTドコモ・ソフトバンクグループなどがTOPIX構成銘柄のなかで時価総額が大きい銘柄となっています。

これらをまとめると、日経平均株価を構成している銘柄のうち株価が高水準の銘柄の株価が、TOPIXを構成している銘柄のうち時価総額が大きい銘柄の株価よりも上昇すると、NT倍率の値は大きくなるということになります。

逆も然りです。

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NT倍率を見るときの注意点と投資に生かす方法

では次に、NT倍率を投資判断の参考とするときの注意点について解説していきます。

まず、日経平均株価が影響を受けやすい株価が高水準にある銘柄や輸出関連株は、どうしても海外市場や為替といったグローバルな要素から影響を受けやすくなります。

つまりNT倍率が大きくなっているときは海外情勢がよく、日本を含む世界経済が全体的に好調であることが多いです。

みなさんも株式投資をしていて、「株価は海外からの影響を受けることが多いな」と思ったことはありませんか?

このように、株価上昇というのは海外からの影響が大きいことが多いのでこの場合はNT倍率が大きくなりやすいです。

また、経済が好調になると、TOPIXも後を追うように値を上げて日経平均株価との差を縮めるような動きをすることも多くなります。

そのため、このあとはNT倍率が徐々に小さくなりやすいのです。

つまり上記のメカニズムを投資に生かすならば、経済が好調になって日経平均株価が上昇してきたら、その間にTOPIXの構成銘柄に買いを入れておくといったテクニックを生み出すことができます。

株価チャートを実際に確認してみて、買いの判断ができそうであれば仕込んでおいてもいいかもしれませんね。

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まとめ

  • NT倍率とは日経平均株価をTOPIXで割ることで導き出せる、2つの指数の相対的な強さを示す数値
  • 大きくなれば株価が高い銘柄が優勢で、小さくなれば時価総額が大きい銘柄が優勢とわかる
  • NT倍率の上昇要因となる日経平均株価は海外情勢の影響を受けやすく、経済が好調だと日経平均株価が上がり、NT倍率も上がる

いかがでしたでしょうか?

本記事ではNT倍率の意味や変動要因、投資に生かす方法についてご紹介してきました。

NT倍率の数値を見れば、日経平均株価とTOPIXのどちらが相対的に強いのかがわかります。両社の構成銘柄や影響を受けやすい要因を知っておくことで、投資判断の参考にすることができるでしょう。

ぜひ株式投資に役立ててみてくださいね。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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