目標株価を参考にして株を買ってみようと思ったけど、「目標株価ってあてになるのかな」と疑問に思いますよね。
誰もが一度は疑問に思うことですが、結論からいって目標株価はあてになりません。
なぜ目標株価があてにならないのか、ソフトバンクの過去3年間に発表された目標株価とその後の株価の行方を追って伝えます。
また目標株価があてにならないとがっかりした人のために、どうやったら上がる株を見つけられるようになるのかも解説しています。
目標株価はあてにならない!目標株価未達率は42%
冒頭でものべましたが、結論からいって目標株価はあてになりません。
直近で証券会社が発表した、目標株価のその後について見ていきましょう。
四半期に一度決算発表があるので、目標株価発表日から3ヶ月の内にどのくらい目標株価からぶれがあったのかを見ていきます。
ソフトバンク(9434)の直近の目標株価を観察対象にします。
目標株価発表日 | 会社名 | 目標株価 | 最大株価 | 最低株価 | |
---|---|---|---|---|---|
① | 2024年5月27日 | 野村証券 | 1,900 | 2,105 | 1,854 |
② | 2024年5月21日 | SMBC日興証券 | 1,830 | 2,105 | 1,854 |
③ | 2024年5月10日 | ドイツ証券 | 2,400 | 2,090 | 1,854 |
④ | 2024年2月26日 | 野村証券 | 1,880 | 2,064.5 | 1,791.5 |
⑤ | 2024年2月22日 | 岩井コスモ証券 | 2,300 | 2,064.5 | 1,791.5 |
上の表を元に乖離率をまとめました。
会社名 | 最大上方乖離率 | 最大下方乖離率 | |
---|---|---|---|
① | 野村証券 | 10.8% | 2.4% |
② | SMBC日興証券 | 15.0% | – |
③ | ドイツ証券 | – | 22.8% |
④ | 野村証券 | 9.8% | 4.7% |
⑤ | 岩井コスモ証券 | – | 22.1% |
③、⑤は3ヶ月で目標株価に1度も達していません。
③、⑤の目標株価を信じて投資していたら、大変な目に遭っています。
②に関しては目標を達成した状態で、目標株価を発表しています。
このように目標に達した状態で発表されることも多々あり、信頼性に疑問がありますね。
①、④は目標に達しています。
また独自でソフトバンクの直近30回分(3年分)の目標株価到達率を計算した結果、4つのことがわかりました。
- 目標株価未達率は約42%
- 目標株価未達時の損失が大きすぎる
- 5回に1回は目標株価が達成された状態で目標株価が発表される
- 目標達成までに最大9.5%下方へ乖離
以上のことから、目標株価の信頼性や未達時の最大乖離率に対する目標到達率の悪さからあてにすることはやはりおすすめできません。
目標未達時の乖離が20%以上あるのに、約58%目標株価に到達することをポジティブにとらえることはとても危険です。
どうしても目標株価をあてに取引する場合の注意点
- 損切りは徹底すること
- 広く分散すること
以上のことだけは、必ず守ることをおすすめします。
目標株価があてにならない4つの理由
ここまで、目標株価をあてにして投資するのは危険だということを目標到達率を元に説明しました。
2章では、なぜ目標に到達することが難しいのかについて解説します。
目標株価があてにならない理由は主に4つあります。
アナリストは目標株価を当てようとしていない
アナリストとは、目標株価を推測しているプロの分析家です。
財務分析や経営者へのインタビューなど、様々な角度から株式価値の分析を行っています。
一見するとすごそうな人の意見で参考にできそうですが、あてにするのは危険です。
なぜなら「ミネルヴィ二の成長株投資法」にも書かれていますが、他のアナリストと大幅にずれた目標を設定したにもかかわらず、目標株価を外してしまうとクビにされる可能性があるからです。
そのためアナリスト自身の本当の考えや分析が全て反映されたものとは言えません。
株式市場は感情で動いている
株式市場は論理的に動いておらず、売買する人々の感情で動いています。
たとえば普通の人は理論株価が分かっていたとしても途中で大幅に株価が乖離してしまった場合、お金が減ってしまう恐怖で目標到達までに狼狽売りをしてしまう可能性が高いからです。
お金というものは増えると嬉しくなったり、減ると怖くなったりしてしまうことからこのようなことがおこります。
長期的に見ると株価は会社の本質的な価値になりますが、その過程では感情的な問題で理論株価から大幅にずれてしまうことがほとんどです。
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需要と供給が株価を決める
株価とは需要と供給で決まります。
需要と供給の法則とは、買い手と売り手のバランスで価格が上下する法則です。
株価が需要と供給で決まる以上、実質的な価値に関係なく買い手が売り手を上回ればどこまででも上がります。
需要と供給の法則は株価を決める本質的なものであるのに対し、目標株価とは曖昧で表面的なため信頼性がないに等しいと言えます。
証券会社は株を取引してもらいたいから
そもそも目標株価を提示する理由は、証券会社が投資家に手数料を払ってもらいたいという理由も1つあります。
目標株価を示すことで、投資家に株の売買を促す効果が期待できます。
取引が活発になると証券会社が儲かるということもあり、いちコンテンツとして目標株価を提示しています。
1章で目標が到達された状態にもかかわらず、目標株価が発表されていることについて触れました。
目標を発表することでおこるニュース性を利用して、取引を促進させる効果を期待しているようにも見えますね。
株式投資で絶対やってはいけない3つのこと
目標株価をあてにして投資できないとなったら「どうしていいかわからない」と、思っていませんか?
以降の章では、どうやったら上がる株を見つけられるようになるのかについて解説します。
まずは株を選ぶ前に、株式投資で絶対にやってはいけない3つのことに頭に入れましょう。
他人の推薦で選ばない
友人や職場の人など、他人が推していた株を売買することはやめておいた方がいいです。
株というものはどんな銘柄を買うのかも大事ですが、資金量に対してどのくらい買うかや売買するタイミングも大事だからです。
他人というと身近な人を例に挙げましたが、掲示板やX(旧Twitter)で有名な人の意見を真に受けることもおすすめできません。
なにも身に付かずお金だけを失う可能性が高いです。
知名度だけで選ばない
有名だからという理由で、トヨタやソフトバンクなどの株を根拠もなく取引することは絶対におすすめできません。
株式市場というものは、これまで築いてきたブランドや過去のことには一切の関心を示すことがないからです。
過去にものすごい業績で大きく成長してきた企業であっても、時代の変化についていけず業績を伸ばせなくなった会社はとことん売りつくされてしまいます。
株式市場は、将来のことだけを見据える場所です。
誰もが知っている有名な企業であっても、値を下げると二度と上がってこない可能性が十分あります。
ニュースや新聞などの情報で選ばない
メディアでおすすめされている株を取引することもおすすめできません。
特定の個別株が勧められている場合、すでに大口の投資家に保有されている株を個人投資家に売って利益を確定させたいという思惑があるからです。
本当に儲かる株であるならば、情報を先に仕入れたメディア関係者が全部買い占めて利益を独り占めするはずです。
株の勉強をはじめるならまずは基本的な分析から始めよう
主な分析方法は2つあります。
テクニカル分析とは株価チャートの分析です。チャート分析で一般的に使われるのは以下の3つです。
- ローソク足
- 移動平均線
- 出来高
ひとつの例ですが、これらを組み合わせることでプロと呼ばれる大口投資家が株をこっそり買い集めていないかを見抜きます。
ファンダメンタル分析とは、決算書などの財務諸表から会社の未来を分析する手法です。
他にも、景気動向や金利水準などファンダメンタル分析では様々な要因を加味して投資に値するのかを分析します。
市場の業績予想を上回る株は上がり続けます。
このことから、ファンダメンタル分析で業績予想を上回り続けるほどのサービスを提供する会社を見つけることを目指します。
まとめ
目標株価をあてにして、株を取引することは危険です。
他人に提示された情報ではなく、自分で精査した情報を元に取引することが株式投資の基本と言えます。
株式投資で資産を築くには情報収集や分析などに多くの時間がかかってしまいますが、その見返りはとても大きいです。
本気で資産を形成したい方は、本やセミナーなど、体系的に学べる基礎を意識した学習がおすすめです。
株の勉強は絶対にやるべき!オススメ勉強ステップや失敗しないためのコツ
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