EPSはどれくらいがいいの?EPSの基本知識から活用する際に気を付けておきたい3つの注意点を解説!

EPSはどれくらいがいいの?EPSの基本知識から活用する際に気を付けておきたい3つの注意点を解説!

株式投資の企業分析について勉強をしていると、EPSという指標が出てきます。

重要な指標とは言われているけど、「EPSってどれくらいがいいのか目安があるの?」と疑問に思う方が多いようです。

そこで今回はEPSが、どれくらいがいいのかについて解説していきます。

またEPSを投資で利用する際の注意点や、EPSを活用した投資方法についても解説していきます。

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目次

そもそもEPSとは?

EPSとは「Earnings Per Share」の略で、当期1株当たり純利益のことです。

数値が大きいほど、企業の収益性が高いことを意味します。

EPSは以下の式で求められます。

EPS(円)=当期純利益÷発行済株式総数

1つ例を挙げてみましょう。

発行済み株式数:100万株

当期純利益:10億円

10億円÷100万=1,000円

このようにEPSが求められます。

EPSは1株当たりの利益がどれだけあるのかを示すため、投資家にとっては投資すると得られる実質価値とも言えます。

そのため、このEPSを基準に多くの人々が投資するのでかなり重要な指標です。

ちなみに株式市場では、EPSの金額というより1年前の同時期と比べた成長度合いが重視されます。

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EPSの成長率が高いほど株価が上がる傾向にある

EPSはどれくらいがいいのかは、一概に数値として言えませんが高いほど株価は上がる傾向にあります。

また特に重要なのは、前年同期と比べた成長率です。

EPSは、実際に投資したら投資家が所有できる価値とも言えます。

そのためEPSの成長度合いが高いと、今後もEPSの成長が期待されて株価が上がることが多いです。

ですが、EPS以外にも株価の変動要因があり確実に価格が上がるわけではありません。

2章では実際に高EPSの影響で株価が上がった例と、高EPSでも上がらない要因について解説していきます。

高EPSで株価が成長した例

実際の例としてあげる株は以下3銘柄です。

一般的に企業のEPSは、前年同期比で1.2倍~1.3倍に成長しているだけでもすごいことです。

ですが、ここでは前年同期と比べ圧倒的にEPS成長させて株価が2倍以上になった銘柄を紹介します。

  • 【9211】エフコード
  • 【3989】シェアリングテクノロジー
  • 【4264】セキュア

それぞれ見ていきましょう。

【9211】エフコード

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2023年3Q四半期決算では、EPSが前年同期比で1.8倍になり株価は3ヶ月で2.8倍に増加しました。

エフコードとは、企業のDX化を支援しているマーケティング会社です。

「CODE Marketing Cloud」というWEB接客ツールを提供していて、導入した企業はCVRを大幅改善させています。

エフコードは、天井を付けるまでの過程でEPSの伸び率が8.0倍という凄い成長を見せました。

【3989】シェアリングテクノロジー

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2023年1Q四半期決算では、EPSが前年同期比で4.2倍になり株価は4ヶ月で2.3倍に増加しました。

シェアリングテクノロジーは、一般家庭で生じる生活のトラブルを解決できる仕組みを提供するWEB事業を展開している会社です。

暮らしの困りごとに対応する専門業者6,800の加盟店と契約しています。

そのため、家でインフラ関連のアクシデントが起こっても最速で加盟店を紹介できるのでユーザーはストレスなく問題解決ができます。

株価が2.3倍になる過程では、EPSの成長率は6.9倍にもなり会社が急成長を遂げました。

【4264】セキュア

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2023年1Q四半期決算では、EPSが前年同期比で5.9倍になり株価は1ヶ月で2.7倍に増加しました。

セキュアは、法人向けに入退管理システムとして監視カメラシステムを提供しています。

ユーザーのニーズに合わせて1,000種類に及ぶカメラを取り揃えていて、小売店から金融機関まで幅広い業界に導入されています。

EPSが5.9倍とかなりの高成長を遂げ、1ヶ月という短い期間に株価を2.7倍へと成長させました。

EPS以外の株価変動要因もある

EPSの成長率が高いと株価は大きく伸びやすいですが、EPSが高いからといって必ず大きく成長するとは限りません。

業績自体がよくても、個別株は様々な要因に影響されて上昇できないことが多々あるからです。

たとえば、日経平均やNYダウなどの株価指数が下げると個別株は連動して下げる傾向があります。

また株式市場というものは、未来を見据えて取引する場所です。

そのため当期EPSがよくても、次の決算が悪いと予想されていたら株価は下がります。

このことから株を買う前に上がらなかったことを想定して、損切りの可能性も視野に入れて取引するようにしましょう。

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EPSを投資に利用する際の3つの注意点

EPSが高いと、株価は大きく成長しやすい傾向にあります。

だからといって、やみくもにEPSが高い株を探して投資してもなかなかうまく行きません。

そこで、EPSを投資に利用する際の注意点を3つ紹介します。

注意点は以下の通りです。

  • EPSは成長率で必ず見る
  • EPS増加が収益性向上とは限らない
  • EPSの数値だけを理由に株を購入しない

それぞれ解説していきます。

EPSは成長率で必ず見る

EPSを利用して投資する際は、必ず成長率で見るようにしましょう。

EPSが伸びていると会社は成長していて、今後も大きくなることが期待できるからです。

そこで、いつのEPSと比べるのかというと前年同期と比較します。

決算 EPS 成長率
2023年 3Q 76.0
2023年 4Q 79.1
2024年 1Q 282.2
2024年 2Q 85.4
2024年 3Q 160.7 2.1倍
2024年 4Q 214.3 2.7倍

前年同期比とは色分けしているように、2024年4Qの成長率は2023年4Qと比べて、2024年3Qは2023年の3Qと比べます。

ちなみに前期比となると、2024年4Qと2024年3Qを比べることです。

基本的に企業分析をする際は、季節性を考慮し前年同期の実績と比べます。

理由としては、会社には稼ぎやすい時期と稼ぎにくい時期が1年で見ると分かれている場合が多いからです。

仮に前期比で確認しても意味がないので、そこだけは要注意です。大きな需要を生む機関投資家は前年同期比を重視しているため、前期比で見てもあまり意味がないので必ず前年同期比で見るようにしましょう。

EPS増加が収益性向上とは限らない

EPSの増加は、必ずしも収益性が向上したとは限らないため注意が必要です。

なぜなら、臨時収益が影響してEPSが増えることもあるからです。

たとえば会社が所有する不動産などを売却した場合、1度きりの利益ですが帳簿上の数字は増えるためEPSは増加します。

数字上EPSは増加するので収益が高くなって利益が増えたように見えますが、自社サービスの売上とは関係なくEPSが増加しているため注意が必要です。

そのためEPSが成長した場合、なにが理由でEPSが上昇したのか精査する必要があります。

1度きりの収益が上乗せされていた場合は、その収益を除外してEPSを独自に計算するようにしましょう。

EPSの数値だけを理由に株を購入しない

EPSの数値だけを理由に株を購入してはいけません。

前年同期のEPSが極端に少なかった場合、EPSは大きく成長したように見えてしまうときがあるからです。

たとえば直近の推移を見ると安定しているが、前年同期だけが少なくて大きく成長しているように見える場合は注意する必要があります。

決算 EPS 成長率
2023年 3Q 13.0
2023年 4Q 0.1
2024年 1Q 13.2
2024年 2Q 14.0
2024年 3Q 15.0 1.15倍
2024年 4Q 12.2 244.2倍

このように、2024年4QのEPSの成長率が3Qに比べて急激に上昇している場合は注意しましょう。

対策としては、EPSが何十倍以上にも成長していた場合、なぜ前年同期だけやけにEPSが少ないのか確認することが重要です。

EPSが少なかった時の決算書を読むと、理由がわかることが多いです。

上記の例でいうなら、2023年の4Qの決算書を確認しましょう。

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EPSを投資で活用するならグロース株投資

EPSを投資で活用するなら、売上が伴った高EPSの株に投資して利益を得るグロース株投資をおすすめします。

グロース株投資とは、売上を伸ばしながら利益を増やしている時に大口投資家が株を買い集めていることをチャートで確認できたタイミングで買って株価が上がったら売却する手法のことです。

たとえば、四半期決算で売上とEPSが前年同期比で2倍以上伸びている会社の株がカップウィズハンドルなどのチャートパターンを描いたときに買って2倍、3倍以上の利益を狙います。

グロース株投資におけるファンダメンタル分析で、最も重要な指標がEPSです。

なぜ重要なのかというと、相場を動かしているグロース株に投資する機関投資家たちはEPS(実質価値)を求めて株を買い占めるからです。

またEPSが前年同期比で大きく成長している会社の株は、今後も成長する可能性が高いとみなされるので投資家から人気があります。

このことから、EPSの指標がグロース株投資では役に立つためおすすめです。

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まとめ

今回はEPSが、どれくらいがいいのかについて解説しました。

EPSが高いほど、株価は上昇する傾向にあります。

ですが、EPSが株価上昇要因のすべてではないため注意が必要です。

そのことを踏まえ、EPSの数値を利用したグロース株投資に挑めば2倍、3倍にも成長する株で大きく儲けられるようになります。

勉強を積み重ねればこのような大化け株を捉えられるようになるので、当メディアや書籍などから情報を得ながら日々学んでいきましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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